関係性を紡ぐもの / “Aida” Processor

Application Software / Java Development
2004年1月

シソーラス・ダイアグラム・エディタ、空間的思索支援ソフトウェア。

編集者とデザイナーという分業化に問題意識を持ち、デザイナーであってもリサーチ・思索・編集を行えること(あるいは編集者によるデザイン的行為)を支援するためのソフトウェアを2つ制作した。
「関係性を紡ぐもの」では、編集行為とデザイン行為の相違点を空間的思考方法の問題として捉え、言葉と言葉の関係性を空間的に外化し、その配置関係の中で思考を進めていくことが両者の架橋にとって有効ではないかと考えた。あるいは文章とダイアグラムの間にある問題。
まず関係のある言葉と言葉を「つむぐ」によって結びつけ、その言葉と言葉の間の類似度や連想的近さを空間的な距離(「あいだ」)に置き換え、その距離を調整していくことによって体系化していく。そうして連結された言葉の体系は、空間的なシソーラス・ダイアグラムとなるが、これは様々な基準で並び替えができたり(五十音順・つながっている言葉の多さ・任意の言葉からの距離等)、他の人(例えば研究グループのメンバー)が作った体系と重ね合わせて体系を共有できたり、以前に作っておいた別のテーマについての体系(「1929年」などの時間的テーマや「ノイラート」などの人物別テーマ)と重ね合わせることで体系の幅を広げ、重層的に思考を進めることができるようになる。

武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科 卒業制作